写真:©熱海市 / 熱海港湾エリアの整備イメージ図
熱海市は18日、市議会に熱海港湾エリアの将来構想を示した。通称「ナナハン岸壁」を活用して小型クルーズ客船を誘致するため、津波避難施設を兼ねた旅客ターミナル、駐車スペースなどを計画。富裕層が所有する全長24~50メートル程度のスーパーヨットの係留施設や、クラブハウスの必要性にも触れた。
観光建設公営企業委員会で、立見修司市観光建設部次長が報告した。客船の誘致環境整備を軸に、港周辺への誘客施設の配置や回遊性の確保などを通じ、市街地のにぎわい創出を図る。市は将来構想を基に、関係機関と具体化の可能性を検討していく。
乗船客や観光客を滞留させる核になる施設として、同港南側の最奥部を念頭に魚市場、食堂、定期船の待合所などが入居する複合施設「フィッシャーマンズワーフ」を整備する方向性を打ち出した。
交通環境の改善も掲げ、熱海サンビーチそばの観光名所「お宮の松」付近に乗用車の駐車場とバス乗り場などを備えた拠点施設を造るプランを提示。利便性向上に役立つ方策として高台にあるJR熱海駅と海岸部を結ぶエスカレーター、海上タクシーの導入なども挙げた。
熱海市は18日、昨年度作成した「熱海港湾エリアにぎわい創出整備計画案」を市議会の観光建設公営企業委員会に報告し、内容を公表した。乗客500人規模のクルーズ船誘致、旅客船ターミナルや水産商業施設「フィッシャーマンズワーフ」、駅周辺地域と海岸を結ぶエスカレーターの整備などを盛った野心的なプロジェクト。市は今後、官民で連携して事業推進を図るとしている。
海の玄関口の整備では毎年寄港している商船三井の「にっぽん丸」(全長167メートル)と同程度以下のクルーズ船、世界の富裕層を乗せたスーパーヨット(全長24~50メートル)の誘致、津波避難施設を兼ねた旅客ターミナルの整備を提案。このほか、港湾エリアの移動を実現する海上タクシーの運航、漁港の機能強化、臨港道路である国道135号と交差点改良が必要としている。
市観光建設部の立見修司次長は「計画案は今後の港湾エリア整備の基礎資料となるもので実施計画ではない。期限を区切ることなく、港の管理である県や国と連携し、民間の投資も呼び込みながら事業を一つ一つ進めていきたい」と話した。
ルート・アンド・パートナーズでは富裕層マーケティングリサーチや富裕層を顧客とすることを目指した企業に対する多方面の戦略コンサルティングオプションを保有しています。詳しくはルートアンドパートナーズへお問合せください。