写真:©阿部産業株式会社 KINU HAKI
明治時代から続く草履作りを地場産業として、山形県河北町は発展してきた。
全盛期には25ものメーカーが存在したが、昭和40年代に入ると生活様式が様変わりし、草履からスリッパへ産業も移っていく中で、大陸からの安価な輸入品の増加に伴いメーカーは年々減少。現在では6社を残すのみとなった。このままでは産業が廃れてしまうと危機感を持った山形県スリッパ工業組合の人々が、2014年6月からこの地で作るスリッパで「かほくスリッパブランド化計画」を開始し、商工会と6社で連携して「かほくスリッパ」という統一ロゴをつけることで、海外産と差別化された高品質なスリッパであることを全国に向け精力的にPRした。
輸入ものの多くが機械で作られるのに対して、かほくスリッパは1点1点手作業による縫製を行っている。日本人の足の形にフィットしたものを作り、履き心地はもちろん耐久性にも優れており、丸洗いができるものが多いのも特徴だ。
なかでも、阿部産業が作っている『KINU HAKI』は、最高級の絹で米沢織り職人が織り上げた袴地を使った最高級品だ。工場長しか作れないという特殊な縫い方で、1足2万円するが、全国から注文が殺到し今では数か月待ちの商品となっている。注文者は全国の旅館やホテルをはじめ、国内外の富裕層なども多いという。
斜陽産業と思われ、町民すら知らなかったスリッパの街は、着実に全国に名を知られる存在となっている。
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