繊細な筆致と美しい色彩や図柄が特徴のこけし、与八人形。これと同じ木地に、浮世絵の春画を描いたのが藤木啓二氏だ。与八人形と浮世絵という2つの日本の伝統文化が融合したことで、世界で始めての「浮世絵春画人形」が誕生した。
きっかけとなったのは、法政大学学長・田中優子氏の著書『江戸百夢』。この本の中に浮世絵の春画を発見したとき「これだ!」と直感したという。
浮世絵はゴッホやモネなど西洋の画家や、ドビュッシーなどの音楽家にも影響を与えたと言われる日本を代表する芸術のひとつ。特にマネは春画に衝撃を受けて裸婦を描いたという逸話もある。
藤木氏も彼らと同じように、春画から芸術家としての琴線を揺さぶる何かを感じ取ったに違いない。
2016年12月現在、7本が完成しているとのこと。藤木氏はまだまだ制作に意欲を見せているが、木地の生産が追い付いていないという。非常にもどかしい状況だが、当社も新たな作品の完成を待ち望んでいる。
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