中国人富裕層が買い求めるメイドインジャパンの仏壇とは

日本貿易振興機構(ジェトロ)滋賀=彦根市中央町=が、市の伝統産業「彦根仏壇」の海外展開を支援している。2/21と2/22には中国上海からバイヤーを招いて、商談会を実施した。
 来日したのは経済の中心都市、上海市の輸入販売会社「煙波到爽閣」で専務を務める魚亮さん(50)。同社は主に欧州のワインや貴金属品など高級品を輸入し、富裕層の多い同市で販売をしているようだ。

 この「煙波到爽閣」は、岩手県の南部鉄器や佐賀県の有田焼など伝統工芸品のビジネスを展開し、以前からジェトロと関わりのあったことから、招かれたとのこと。ジェトロとしても仏壇を展開する機会はほとんどなく、「仏教圏で仏壇という高級品を買える人がいる場所」という基準で選んだという。

既に、京都の「京仏具小堀」(京都市下京区)は2015年に香港の百貨店「香港そごう」に常設店舗を出店した。とはいえ、仏壇・仏具店の海外進出はなかなか難しく、思うようにマーケットを開拓できていないのが現実のようだ。

 魚さんは21日に、彦根仏壇の製作工程を見学。金箔押(ぱくお)し師の宮本美弘さん(61)らの工房では、木のスプーンに金箔をほどこす体験をした。その後商談に訪れた同市芹中町の井上仏壇では宗教観の違いが鮮明に。中国では仏像を「守り神」として扱うため、日本のように仏壇に扉などを付けて仏像を隠す文化がないという。魚さんは「中国で売る際にはこれを取ってほしい」と求めた。それでも「京都の仏壇と比べて質が変わらないのに安い」と述べるなど関心の高さをうかがわせた。

 井上昌一社長(51)は「金仏壇が国内で売れなくなってきている中、海外で需要があるとは驚き。売る際には中国仕様に変更するなどして相手に合わせたい」と話している。

記事元(中日新聞WEB)はこちらから

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