写真:©Adobe Stock
最近、街中でよく外国人観光客の姿を目にするというのは少なくない日本人が持つ感想だ。約10年前の訪日外国人客数と比較すると、日本政府観光局(JNTO)が発表したデータで昨年は2869万人(推計値)が日本を訪れたことが示された。近年、日本の観光業界は国連世界観光機関(UNWTO)が発表した「観光収入ランキング」で2013年の19位から現在はトップ10に入るまでになった。観光資源や旅行環境は上位の国・地域に引けを取らないにもかかわらず、稼げていないのだという。
この問題には、少なからずハードの部分(ホテルやアクティビティ)が影響を与えている。世界中の5つ星ホテルが約3300軒あるにもかかわらず、日本国内には僅か28軒という状況だ。5つ星ホテル110軒を持つタイを例に比較するならば、年間の外国人客数は日本とほぼ同じだが、観光収入では世界6位となっている。高級ホテルに宿泊できるような外国人客を誘致できるということは、同じ人数でより多くの観光収入を得られるということなのだ。飲食店でも同じだ。客単価が高いか安いかは全体の売り上げに影響を与えてくるものだ。
実際のところ、日本は観光の庶民化が外国人観光客の増加につながると認識しており、結果、大勢のバックパッカーを引き寄せているが、これ自体は間違っていないものの、裕福な観光客はしばしば日本で一種の物足りなさを感じる。宿泊費として十分な予算を用意しているのに、使い切れない。他の諸国は、外国人観光客に少しでも多くのお金を使ってもらおうとするのに、日本は『私のお金、一体どこで使えばいいの?』という疑問を抱かせてしまうという声すら聞こえてくる。日本の観光業には、英語だなんだというソフト面よりも先に、ハード面での国際的視野が欠けているのだろう。
参照:Record China
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